命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録 ・時々温泉も

湯川温泉萬鷹旅館:岩手県和賀郡 すっぽん料理と源泉掛け流し湯の小さな宿

湯川温泉萬鷹旅館:すっぽん料理と源泉掛け流し湯の小さな宿

【泊まった時期】2025年02月下旬
【同宿者】1名

秋田との県境も近い岩手県湯川温泉・萬鷹旅館ですっぽんフルコースに挑戦。
小さな宿だがお湯はしっかり源泉掛け流し。

立地とアクセス

駅からのアクセス

JRほっとゆだ駅より5㎞程度、車で10分弱。
ほっとゆだ駅からは、予約制の乗合タクシー【湯川温泉湯けむりタクシー】を利用できる。
運賃は破格の200円。
町民以外の観光客からは5倍くらいとってもいいと思う。

▼翌日昼過ぎに撮影したほっとゆだ駅
日帰り温泉施設、足湯、飲食店などがある。

今回の訪問は大寒波の襲来に重なり、JR北上線には前日から「運行休止する可能性あり」とのアナウンスが出るような天候だった。
幸い通常運行した北上線でJR北上線から約40分。
駅に降り立つと吹きすさぶ白い雪の中タクシーが待っていてくれた。
ありがたや。

▼こちらも翌日撮影した湯けむりタクシーの勇姿

到着日の夜半、降り続いていた雪がようやく止んだ。
廊下の窓から見下ろした宿の前の白い道。

部屋と館内設備

共用部

ちんまりしたフロント

ちんまりしたロビー

懐かしさ満点の休憩コーナー

昔ながらの小さな宿だがどこも掃除が行き届きとてもきれい。

洗面所とトイレは共同。
階段あり。
部屋の中は大変暖かいが、さすがに廊下とトイレは寒い。
が、ひとっ風呂浴びてほかほかになった後は、平気で出歩けるように。
温泉すごい。

部屋

和室に布団を予想していたが、並んでいたのはベッド。
布団は軽くてほわっほわ!

ベッドの奥にソファー、座卓、冷蔵庫、しっかりした鏡台。
冷たい美味しい水が満たされたポットと、熱いお湯のポット。湯沸かしポットはないが、翌朝には部屋の前に新しい熱いお湯の入ったポットが置かれていた。

タオル、歯ブラシ、柔らかくて着心地のよい作務衣

温泉

浴室は2つ。
【貸切入浴中】の札をかけて貸切で使用する運用。
私たちの到着時には2つとも使用中だったが、その後はいつでも待たずに入れた。

脱衣所の洗面台にも紙コップを置いてくれているのが嬉しい。

浴室

加水加温無しの源泉掛け流し。

源泉は68.3度。
真冬のせいかちょうどよい温度で、湯かき棒も使わずに長湯できた。

ほぼ透明・無臭のお湯はとても入りやすくしっかり温まる。

個人的スキンケア要らない度:何も使わずしっとり継続。

もう一つの浴室は左右非対称になっていてほぼ同じ作りだった。

アメニティは、シャンプーリンス、男性用シャンプー、洗顔フォーム、シェービングフォーム、ボディソープ、、色々な種類のものが一通り適当にそろえてあった。
このあたりも親戚の家っぽくて楽しい。

天候回復した翌朝には青空と白い樹々を眺めながら朝風呂!
朝の湯はちょっと熱かった。
水を足せるようにはなっていたが、源泉に浸かれるよう湯かき棒でがんばって混ぜる。

食事

食事は隣室に整えられているテーブルで。
いよいよ、すっぽんフルコース。

想像していたより見た目も繊細で美しい料理が並ぶ。
きれい!
器がどれも凝ったものでとても素敵だ。

最初に女将さんが丁寧に説明をしてくれる。
甲羅以外捨てる所がないそうで、あまさずいただきます。

食前酒の活血は珍しい焼酎割。
よくあるワイン割より鮮やかで美しい。
が、25度の焼酎は下戸の私にはきつすぎて3分の1ほどで断念→酒豪の同行者の胃袋へ。
ぶどうジュースとかで割ってくれたら飲めるんだけどな。

様々な部位の刺身盛り合わせはどれも臭みもくせもなく美味しい。
淡白な味わい。
醤油もよいが、女将さんにすすめられたごま油+塩がよく合う!

日本酒に沈んでいるのは心臓と胆のう。
一匹のすっぽんを2人で食べるので1つずつだ。
胆のうは非常に苦いので、かまずにお酒で流し込むらしい。
酒豪の同行者が胆のうを酒ごと一気にあおり、私は心臓をつまみ出して刺身としていただく。残りの日本酒も同行者の胃袋へ。

ミニトマトの中にもすっぽんのマヨ和えが詰められているこだわりぶり。

ゴマ油で味付けされた生レバーが絶品!
卵は味噌漬け。見た目よりしっかりねっとり濃い味わい。
ポン酢、梅肉、酢味噌味のすっぽん和え物。

すっぽんの陰に地味に並ぶ野菜の煮つけとお浸しも美味しい。
特に地元名産のわらびが最高。

あんがとても美味しいすっぽんの茶碗蒸し。

熱い料理は一品ずつ、前の料理を食べ終えたころに運んできてくれるのですべて熱々の状態でいただけた。

ジューシーなすっぽん竜田揚げ。

すっぽん以外の料理として岩魚の塩焼きが登場。
ふっくらと焼き上がり、よい塩加減。

ぐっと味が変わってすっぽんときのこのチーズマヨネーズ焼き。
このあたりからかなりお腹が苦しくなるが、なんとか鍋までこぎつける。

鍋への着火タイミングも自由に任せてくれるのが嬉しい。
すべての料理を平らげたあと、じっくり鍋にとりかかるのだ。
潔くすっぽんだけが浮かぶ、淡い琥珀色がいかにもそそるスープ。

このうまみ溢れるスープの美味しいこと!

女将さんから「雑炊用のスープはとりわけてあるので、全部飲んでもかまいませんよ」と聞いたときには
「いやー絶対全部は飲めないでしょ」と思っていたが。

ほぼ飲み干してしまった。

ちなみに、私は前半戦の料理はどれも美味しくいただけたが、鍋のすっぽんは少し苦手。特にエンペラ部分は刺身や和え物と違いクセが強く出ているように感じた。

甲羅の裏にへばりついた肉もこそげて完食。

雑炊はさすがに食べられないので、朝食対応にしてもらうことに。

▼ごちそうさまでした!

最後に手打ち蕎麦。
デザートにコーヒーゼリーが供されるところに、ぷるぷるした黒っぽいものへの拘りを感じる。

朝食も隣の部屋で。

味噌汁をはじめとする和定食。

どのおかずも美味しいけれど、
今回の主役はもちろんすっぽん雑炊!

すっぽん料理は初めてではないけれど頭の先からつま先まで!のフルコースは初めてだった。
想像よりも品数が多く、目にも美しい様々な種類の料理が提供されて大満足。
源泉掛け流し湯とすっぽんで体の外側内側から温まる宿であった。