命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録

頂を目指さない八ヶ岳_1:黒百合ヒュッテでテント泊

唐沢鉱泉~黒百合ヒュッテ

【登った時期】2023年7月中旬
【同行者】1名

黒百合ヒュッテでテント泊に挑戦

剣山、日光白根山でテント泊を楽しんだこの年。
(日光白根山ではテントをかついで歩いてないけど)
もっとテント泊してみたい、できればもう少し長い距離も歩きたいなという欲がむくむくと湧き上がってきたところへ、友人と初めての八ヶ岳へ行こうという話が持ち上がった。

ひとりならテント泊荷物をかついで縦走なんて夢また夢のか弱きたおやめの私だが、今回は友人が荷物を分担してくれるのだ。
これは縦走テント泊挑戦のチャンス!

時々一緒に登ってくれるこの友人は「登頂できなくてものんびり山を歩きたい」というタイプで温泉好き。

テント泊と小屋泊を1泊ずつで八ヶ岳をゆっくり歩く計画を立てた。

目標
・ゆっくり歩いて苔を見る
・黒百合ヒュッテで友人の初テント泊を叶える
・日本一高所の露天風呂として名高い本沢温泉に入浴
可能であれば天狗岳登頂

ルート
・唐沢鉱泉に前泊して入山、黒百合ヒュッテと本沢鉱泉泊。稲子湯へ下山

当初本沢温泉でもテント泊を考えたが、トイレが遠いという情報を得た根性のない私たちはもちろん小屋泊に変更だ。

小雨の唐沢鉱泉を出発

JR茅野駅から唐沢鉱泉までは宿泊者専用の宿の送迎バスを利用。
温泉を楽しんだ夜半から雨が降ってきた。

朝になっても雨模様。
本日の目標は黒百合ヒュッテまでのため、朝食と朝風呂をゆっくり楽しんで様子を見る。だんだん弱くなってきた雨をベランダから眺めていると、下を歩く登山者が挨拶してくれた。
「おはようございまーす!」
「おはようございます!雨どんな感じですか?」
「アブが出て来たんでそろそろ止むと思いますよ」

アブが出たから雨がやむ?

そうでした。

八ヶ岳について調べていたら、

八ヶ岳=アブの巣

かと思うほど、「アブ地獄」「アブ大発生地帯」という情報があふれかえっていたんだった。
一応対策もしてきたが、昨日まったくアブを見かけなかったのですっかり忘れていた。
そういえば、アブは天気が悪いと少ないって書いてあった気がするな。
やっぱりいるんだなあ、アブ。
とのんきに思った私は、アブがどんなに怖ろしいものなのか全くわかっていなかったのである。

登山者氏のアブ天気予報どおり雨は小降りになってきたので、出発することにした。

唐沢鉱泉前の道を黒百合平方面へ進む。

小さな橋を渡るといよいよ森の中に入っていく。

最初はとても歩きやすい道。

しとしと雨も気にならない美しい森を苔を眺めながらゆったりと。

ティッシュみたいなものが散らばっているなあ、と見上げると

頭上には白い花。
石楠花?

だんだん足元が悪くなってきた。
後半の登山道はほぼ岩で埋め尽くされ歩きにくくなっていく。

苔といっても色々な種類があるんだなあ。

どこを歩いても滑りやすいのでゆっくりゆっくり。
しかし、既に荷物の重さでへたり始めている私にはこのスピードが好ましい。

分岐付近が少し広くなっていたので休憩。

その後も、こんな橋を渡ったりしながらも岩と苔の道を登る。

苔の道を満喫し尽くしたころ、コースタイム2時間を大幅にオーバーしながら霧の中の黒百合ヒュッテに到着した。

黒百合ヒュッテの快適なテント場

明日ヘリ荷揚げがあるとのことで、テント場使用可能エリアはかなり狭くなっている。

 

既に大混雑のテント場。
なんとか場所を確保し、パレットも借りることができた。
今回も平らな状態で寝ることができそうだ(^^)/

テント設営後に散策しようかという計画もあったものの、天候は回復しないので今日はここまで。
のんびりテントを楽しむことにした。

ガスの向こうに横向き蛙のようなシルエット。
あっちが天狗岳方面かなあ。

さっそく着替えて熱いお茶でも飲もう。

トイレの一角のとてもきれいな更衣室で体をさっと拭いて着替え。
ドアを閉めると真っ暗だが、いつも持ち歩いているライトをフックにひっかければヨシ!いい感じ。

 

www.arukuyo.com

洗面所もきれい

水場はないけれど、宿泊者テント泊者は飲料水を無料で分けてもらえる。

友人が持ってきてくれた網で干し芋を炙っておやつタイム。
ひと手間で干し芋がほっくほく。
夕食も無精な私なら絶対やらない素敵なメニューをいただいた。

今期の黒百合ヒュッテは軽食メニューはお休みだったが、ドリンクは提供されていた。
せっかくなのでホットワインを注文してみよう。
カップは美しいガラス製。
スパイスの効いた暖かいワインが沁みる。
美味しい!

これはお酒に弱い私でも大丈夫。
工夫して自分でもやってみたいな。