命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録

日本で一番高いところに立ってきた_1:2泊で行こう。体力のないたおやめのゆっくり富士山計画

「登って楽しい山じゃないよ」と人は言うけれど、、やっぱり日本一の山には登ってみたい

「登って面白い山じゃない」

と人は言う。

 

「山小屋が地獄だった」
「登山道混雑しすぎて歩くのがしんどかった」
「大渋滞」
「高山病でゆっくり楽しめなかった」

富士山に登ったことのある人からよく聞く感想だ。

 

そしてほとんどの人が「1回登ったら充分」

2回登った人はたいてい「1回目は天気が悪すぎたから仕方なく・・」

仕方なくって何なの、富士山に失礼じゃない。

もちろん富士山大好きで何度も登っている人もいるだろうけど、私のまわりではだいたいこんな感じ。

「めっちゃ良かった!また登りたい!」
「おすすめ!」
という人には会ったことがない。

 

でも、なんたって日本で一番高い山。

日本で一番高いところには立ってみたいじゃない。

登山を始めた時は特に目指していなかったものの、

いつの頃からか登ってみたいと思うようになった富士山に、遂に登ってきた。

 

ゆっくり無理ない富士山登頂計画

うっすら登りたいな、と思いはじめていたけれど、「登山口がどこにあるのかルートがいくつあるのか」という知識すらなかったので、まずはガイドブックを買ってみた。

富士山だけに絞り込んだこれを購入。
登山そのものを嗜んでいない初心者向きの内容も盛りだくさんだが、わかりやすかった。

 

これを参考に、ルートはアクセスが良さそうで初心者にお勧めという吉田ルートを選択し、体力に自信がなくて時間は結構ある私向きの計画をたててみた。

条件

・平日に登る
・好天の日に登る(予定日が荒天予報になったら中止または延期)
・御来光は山頂で見ない

御来光を山頂で見ようとするとどうしても真っ暗な中を登ることになる。
いくら整備された登山道だといってもそんな危険は私はもちろん冒さないのだ。
御来光はもちろん山の楽しみの一つだけれど、負け惜しみではなく山頂から見ることにはこだわりがない。
小屋前や途中から美しく見えるならそれで充分満足だ。

・できれば個室のある小屋を予約
・とにかくゆっくり登るスケジュール

なんたって3776mの高山だ。息が切れないくらいの超鈍速ペースでいいくらいかも。
高山病の恐れもあるし、いつも鈍足の私だがとにかくゆっくり歩く心づもりだ。

 

ざっくりしたプラン

最初は標準的な1泊2日のスケジュールを考えた。

 

1日目
スバルライン五合目に昼頃までに到着
軽く食事をとって高度に体を慣らし、七合目まで登る
宿泊は七合目トモエ館(シングル個室を予約)
*七合目にはいくつか個室のある小屋がある。トモエ館に決めた理由は、八合目にもトモエ館があり、七合目に宿泊した人は八合目に登頂に不必要な荷物を預けられるからである。

2日目
七合目で御来光を見てから行動開始
八合目トモエ館に要らない荷物を預けて山頂まで
時間があればお鉢巡り、余裕が無ければあきらめて下山
下山開始のリミットは13時
八合目で預けた荷物を引き取る
日帰り入浴後、夜行バスで大阪へ


お鉢巡りはさらっと回るだけで1時間20分。神社を詣でたりなんやかんやで2時間以上はみておいたほうがいいとの情報。

さすが富士山。
お鉢もでかいのね。

▼色々楽しみがありそうなお鉢巡り

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ぜひやってみたいが、「富士山登頂前のトレーニングに最適!」と関西では噂に名高い滋賀県伊吹山を5月に登ってみたら予想以上に苦戦したので、
無理かなあ、というあきらめ気分である。

実際に実行したプランはさらにゆったり

しかし、ここではたと気がついた。

あれ、今回の私には時間がまだまだある。

別に七合目1泊で下りなくていいんじゃないの?

そうだ!
富士山に2泊してみよう!

私の調べたところでは八合目には個室対応している小屋は無いようだが、八合目トモエ館は先着順でシングルスペースに入れてくれるとのこと。
シングルスペースというのがよくわからないが、不特定多数の他登山者とごっちゃに放り込まれることはなさそう。

超鈍足の私だけれど、今回のプランだと先着する自信は大いにある。
WEBサイトをみると1名分だけ空きがあったので、さっそく電話で予約。

計画変更。

1日目

スバルライン五合目に昼頃までに到着
軽く食事をとって高度に体を慣らし、七合目まで登る
七合目宿泊

2日目

小屋前で御来光を見てから行動開始
八合目トモエ館に要らない荷物を預けて山頂へ
簡単に昼食をとってお鉢巡り
八合目に戻って宿泊

3日目

小屋前で御来光を見てから下山
スバルライン五合目からバスで富士山駅または河口湖駅へ
日帰り入浴後、夜行バスで大阪へ

これならさすがに鈍足のたおやめでも2日目のお鉢巡りもゆっくり楽しめるはず。

唯一の心配は「もしも高山病になったら、こんなに長時間滞在できるのか?」ということだけど、その時はあきらめて潔く下りてこよう。

人間諦めが肝心である。

東京から富士山へのアクセスの良さに驚愕

関西在住の私は当初、大阪~河口湖駅への夜行バスを考えていた。
バスは1日に1本しかないので、満席ならば値段は高くなるけれど新幹線と登山バスの組み合わせ。

ところが諸所の事情により東京から直行することになり、アクセスを調べて驚愕した。

なんと新宿からはスバルライン五合目までの直行バスが出ている!
それ以外にも河口湖駅や富士山駅行きバスもばんばん出ているし、新宿以外の羽田空港や東京駅からもバスがあるらしい。。

しかもほぼ1時間ごとに出発という勢いだし、2021年度は減便しているというのにこの有様。

距離が近いから自家用車で向かう人たちも多いだろうし、これだけがんがん富士山向けに人を送り出しているんだから、そりゃあ富士山も大混雑するでしょうよ。

恐るべし東京。

 

その便利さに便乗することにして更にびっくり。
新宿からスバルライン五合目までバスでらくらく直行することに決めたのだが、

安い!早い!

新宿から3時間未満?

我が家から伊吹山登山口より早いんじゃない??

そういえば、羽田空港から富士山が見えたことがあったっけ。

▼数年前のある冬の日、羽田から見た富士山らしきシルエット

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夕暮れのオレンジに染まる中、ぽっかりと浮かび上がる山の姿。
「あれって富士山?」
「えっこんなとこから見えないんじゃない?」
と信じられずに騒いでいた私たちに、そばにいた男性が

「てやんでぇ、羽田から富士のお山以外に見える山があるわけねえだろ、こちとら江戸っ子でぃ!」

と教えてくれたのだ。
東京から富士山が見えるなんて江戸時代かよ、と思ってびっくりしたけど、それだけ近いってことなんだなあ。

万が一富士山が噴火したら東京にも灰が降り積もると言われているけど、それだけ近いってことなんだ。。
あっ、うらやましさのあまり思わず不謹慎なことを考えてしまった。

ごめんなさい。

それにしても富士山というのは頭に白い雪を被った青い姿が印象的すぎるのね。
富士山、と聞いてぱっと頭に浮かぶのもGoodsのデザインもその姿。

雪の冠のない夏山の姿だと、失礼ながら

「あんた誰?」って感じだなあ。

▼だれ?

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