富士登山の前に伊吹山
滋賀県最高峰にして百名山の伊吹山。
登山をやっている人なら初心者でも登れるし、がっつり登りたくない人はバスで9合目まで行けるし、頂上には日本武尊がいるし、その伝説を知ると悲しい気持ちになれるし、「絶好調の時も調子こいたらあかんでええ」という教訓も得られる楽しい山だ。
良い季節に行けばお花畑も美しい高山植物の山でもあるらしい。
そして関西では、伊吹山は富士登山の予行練習に最適!と噂に名高い。
その伊吹山と富士山に同じ年に登った。
富士山を登りながら、そういえば確かに伊吹山に似ている、、、と思った点がいくつかあったので記しておこうと思う。
二つの山の標高
伊吹山の標高:1377m
富士山の標高:3776m
標高差は2400mもあるけれど、
富士山に1合目から登る人はあまりいないだろうし、そもそもそんな人は「伊吹山で予行演習しよう!」と考えないと思われるので、伊吹山にスバルライン五合目=2400m下駄を履かせればよい。
かなりの高下駄ではある。
2400m下駄を履かせると、その差はかなり縮まった。
伊吹山頂までの標高差(上野登山口から上野ルート):約1200m
富士山頂までの標高差(スバルライン五合目から吉田ルート):約1450m
実際に登って似てると思った点と違う点
似てるとこ
①登山口から少しだけ樹林帯があるが、その後はほとんど遮るもののない道を行く。
よく言えば開放感満開、悪く言えばふきっさらし。
容赦ない日差しと風が吹きつけ、灼熱の太陽に体力と気力を奪われる。
②標高差1200を一気に登る。ひたすら山頂に向かって登り続け、登り返すようなところはほぼ無し。
③登山道に危険な箇所はなく、よく整備されている。
④かなり単調。
⑤足元の具合も似ており、少しだけ手を使う岩場もある。
⑥ラストはひたすらじぐざぐ九十九折りの急登。
⑦山頂銀座があるので、山頂まで登ればトイレも使えるし暖かいものも食べられる。
違うとこ
①伊吹山は頂上からバスで降りることもできるし、いざとなったらタクシーも呼べるが、富士山は自力で降りねばならぬ。
②伊吹山は酸素が薄くない。
③標高が低いので夏の伊吹山はものすごく暑い。
私が一番似てるなあ!と思ったとこ
個人的に「一番似てる!」と思ったところは、
歩いても歩いても、振り返れば延々と同じ景色が見えていたことだ。
しかも見えるものは同じ。
それは、自分の歩いてきた道と湖。
▼歩いてきた道と湖を臨む伊吹山登山道
▼歩いてきた道と湖を臨む富士山登山道
そんなとこ似ててもあんまり参考にならないと思うけど、この部分は意外とポイント高い気がする。
単調過ぎて力が湧いてこないんだもん。
伊吹山では心砕けそうになったけど、
富士山では「私は今、日本最高峰の山を登っている」という「気持ち」で最後まで結構ウキウキ元気にがんばれたのだろう。
というところで結構共通点はあるなあと感じた。
標高差1200mを一気に登れ、登山初心者でも挑戦しやすい山はなかなか無いのでは。
ふだん登山はしないけれど富士山には登りたい関西の方は、伊吹山登ってみて損はないと思う。