富士山で日焼け対策をちょっと失敗した
ほぼ晴天の富士山3日間。
敵は標高3700mの紫外線。
負けないように万全の日焼け対策をしたはずの私は2つの失敗を犯していた。
▼遮るものなく降り注ぐ高度3700mの紫外線
日焼け止めを塗りっぱなし、というか塗り重ねる3日間
クレンジングを忘れる
登山をしている方ならご存じの通り、ほとんどの山小屋では洗顔ができない。
もちろん富士山も例外ではないので、
いつものようにシートタイプのクレンジングと簡単なスキンケア用品を用意していた。
が!
寝る前にざっとお手入れしようとザックの中を見てみると、、
無い。
無い。
お手入れセットが見当たらない。
スバルライン五合目で「下山後まで必要ない荷物」をコインロッカーに預けた時、なぜだかスキンケア用品をまるっと残してきてしまったらしい。
下山後に日帰り湯に寄る予定だったので、着替えやお風呂セットと一緒にうっかり分別したと思われる。
その瞬間、私は血の気が引きそうになった。
お手入れセットを忘れたことにではなく、
お手入れセットに入れてある
コンタクトレンズも置いてきてしまったぁっ!
という衝撃の事実に。
一瞬目の前が真っ暗になったが、眼についてだけは超心配性の私。
コンタクトレンズは万が一の時のためにサコシュとエマージェンシーキットにも入れていたのでなんとか事なきを得た。
強度近視と言われるほどのど近眼なので、心底焦った。
もちろん眼鏡も持ち歩ているけれど、ど近眼過ぎて眼鏡で歩くのはしんどいのだ。
ちなみに私の旅の信条は「命の次に眼鏡とコンタクトレンズを守れ」だ。
見えないと警察にも大使館にも行けないもんね。
で、お手入れセット。
ないものは仕方ないので、何もせずにそのまま寝た。
飲料水を手ぬぐいかティッシュに含ませて顔を拭いてもいいかなーと思ったものの、激しいざらつきも感じなかったし「目で見える汚れ」は無かったので却下。
下手に水拭きしてしまうと水分が蒸発しそうだし。
どんどん重ねる日焼け止め
こうして、
翌朝はそのままの顔に日焼け止めを塗り、行動中も2時間ごとに日焼け止めを重ねる。
2日目の夜もそのまま就寝。
翌朝はそのままの顔に日焼け止めを塗り、行動中も2時間ごとに日焼け止めを重ねる。
こうしてどんどん日焼け止めの層を重ね、、
3日目の夕方、日帰り湯でようやく幾重にも重なった日焼け止めを落とし、しっかりと洗顔することができた。
どうなることかと思ったが、びっくりするほど特に何もなかった。
しっかり日焼け止めを塗り続けたことで顔面は日焼けしなかったし、肌荒れしたりということもなくいつもの肌。
なあんだ。
拍子抜けだ。
無理して日焼け止め落とさなくてもいいやん。
これからテント泊や水が使えない小屋泊の際、1泊くらいならスキンケアしなくていいかも?
私はとても肌が丈夫なので、肌が弱めの方はお手入れセットを忘れないようにしましょう。
但し、日帰り湯で顔を洗ったら一皮むけたように顔がつるんと明るくなったので、やはりうっそりと汚れていたのだろう。
あと、顔面よりも耳の穴がものすごく汚れていて驚愕した。
それはもう真っ黒黒で、あんなに黒い綿棒は生まれて初めて見た。
背後からの紫外線に敗れる
軍曹スタイルで油断した結果
日焼け止めはがっつり塗ったが高度3700mの紫外線は強敵だ。
日焼け止め以外の防御策として考えていたフェイスマスクは私には合わなかったため却下。
帽子はキャップ。
全方向から襲い来る紫外線を防ぐため手ぬぐいを被った上にキャップをかぶることにした。
軍曹スタイルだ。
もちろんこの垂付き帽子姿は軍曹だけじゃないんだけど、帽子に日除け布を垂らした姿を見ると「鬼軍曹!」と思ってしまうので、私の中では軍曹スタイルなのだ。
それにしても「軍曹」といえば「鬼」なのはどうしてだろう。
鬼曹長とか鬼伍長とはあまり聞かないのはなぜなのか。
横からの紫外線を防いで耳を守り、頭部の汗を吸ってくれるし、たれ部分で汗も拭ける。風通しもわりと良い。
見た目がだいぶ軍曹なこと以外は一石四鳥くらいあるので私は軍曹スタイルが結構好き。
立山登山時も軍曹スタイルで快適に日焼け対策ができたので、富士山でも早々に軍曹スタイルになり、日焼け止めと合わせて日焼けを防いだ。
と、思っていた。
失敗に気づいたのは下山後の立ち寄り湯である。
まずは3日間分何層も重ねた日焼け止めをさっぱりと落とす。
鏡に映るほとんど焼けていない顔面に
よっしゃ!
ありがとうアネッサ!
とほくそ笑んでシャワーをかぶった瞬間、声が出そうになった。
痛てぇっ
首が、、、
首の後ろがめっちゃ痛い。
お湯かかったところがひりひりする。
身体をねじって鏡に映してみると、首の後ろだけが真っ赤に染まっていた。
やっちまったー
髪を後ろで一つ結びにしていたのにも関わらず、首に日焼け止めを重ねるのを忘れていた。
そして首の後ろも隠れるように手ぬぐいを重ねていたけれど、よろよろと歩いているうちにどんどんズレていたみたい。
かなり痛い。
しかも髪を一つ結びにしていたものだから、首の中央部のみを白い極太ストライプにくっきりと残した日焼け状態。
赤くなった部分はその後しっかりと濃くなり、新陳代謝の遅くなった中年の身故、しばらくは消えなかった。
色の違いは、職場で
「ビブ丸さん、後ろから見たら別人かと思った」
と驚かれるほどだった。
オセロの駒状態である。
背面への注意を怠ってはいけない、という教訓とともに、
「日焼止めって本当に本当に効くんだ。塗っていなかったらこんなにこんがりとやけてしまうんだ」と、日焼け止めの効果を思い知ることになった体験になった。