「羅針盤」には浪漫を感じる
大航海時代とか海の浪漫とか見果てぬ大地とか、、壮大な冒険の始まり!
みたいなイメージが湧いてうっとりしてしまう。
同じものなのに「コンパス」だともっとお手軽な感じ。少なくとも大冒険の浪漫は感じない。
子供の頃読んだ翻訳小説の中に出てきた「葡萄酒」や「柘榴石」という単語に憧れてうっとりしたのと同じかな。「ワイン」より「葡萄酒」の方がおいしそうだし「ガーネット」より「柘榴石」の方が美しくて宝石感があふれてた。
「プリンセス」よりやっぱ「王女様」でしょ。
(いつの時代の小説?今は翻訳物や童話でも「ワイン」「ガーネット」と訳されているんだろうな)
漢字の底力とカタカナのお手軽な感じの差?
いや漢字でも「方位磁石」だと実用品感が前面に出てくる。
やっぱり「羅針盤」に勝るものなし。
登山はじめたら地図とコンパス!
浪漫は感じなくとも登山をするならとにかく地図とコンパスは基本の基本!
というわけで。
なんでも形から入りたいタイプの私は、登山を始めるにあたってもちろん地図の読み方とコンパスの使い方の基礎を学習した。
と言っても、ほんとに「超基本知識」を得ただけだが、これだけでも地図を見るのがとても楽しくなったし、事前準備もはかどるようになった。
超基本の地図知識
・基本的な地図記号を覚えておく
・等高線を見て傾斜が緩いか急か、尾根と谷を判断する
基本のコンパス活用方法
・目的地の方向を知る
・目的地の方向を固定する
・現在地がほぼ推定できる時、現在地を確認する
ちなみに、上級者になると更にこんなことすごい技が使えるらしい。
・見えている山の名前を調べる(山座同定)
・現在地がわからないときにまわりの地形から、現在地を推定する
偉そうに書いているけれど、実は私はコンパスについて、大きく2つ間違っていた。
コンパスって「北の方角がわかるだけ」「迷ってから見るもの」だと思ってたのだ。。
「あっ、道に迷った!」
「ここどこだ?地図見てもわかんない」
「そこでコンパスの出番ですよ。こっちが北だ!」
「おお!・・・で?」
北の方角が分かったからってどうよ?
・・・
本当に無知なのだけど、登山をする前の私にとってコンパスなんてこれくらいの存在だった。
しかし、初心者向けの登山本やサイトにはどれを見ても「地図とコンパス!」と書いてあるのは伊達ではなかった。
初心者は迷ってからコンパスと地図を見ても遅い
コンパス上級者になると、現在地がわからなくともまわりの地形とコンパス、地図を使っておおよその現在地を推定することができるらしい。
しかし、読図も満足にできない私がそんな高度な事できるわけがないし、むしろ迷ってしまうのが目に見えている。
初心者の私がまず学習したのは以下である。
コンパスは地図と一緒に使ってこそその威力を発揮する。
自分の現在地がわかっている時に正しい方向を見定めるもの。
道に迷ってから取り出しても遅い。
迷ってから取り出してもまさに
「北の方角が分かったからってどうよ?」になっちゃうのである。
コンパスは「迷ってから使っても意味がない」
本を見て自宅で練習してもめったに使用しないとすぐ忘れてしまうのだが、とにかく現在地から次の目標地点をセットする方法をなんとか覚えた。
①登山口で目標地点の方向をコンパスに固定。
目標地点はゴールではなく最寄りの分かりやすい場所や分岐にする。
②目標地点についたらまたその次の目標地点を固定。
→途中で迷いそうになったらコンパスが指す方向を確認すれば、とんでもない方向に迷い込むことはない。
こんな感じで小刻みに目標を固定しながら進んでいく。
やってみると結構楽しい。
私は基本的に地図が好きなので、街中でもやりたくなってくるくらいだ。
登山には地図とコンパスとGPS
だがしかし、実際に山でコンパス使ってる人は「現地講習会」みたいな人たち以外、いまだに見たことがない。
地図を見ている人はたくさんいるけど。
だって今はGPSがあるからねー
もちろん、私もGPSを使うしスマホにも地図をダウンロードして山に行く。
現在地が一目でわかるGPSは本当に心強いお守りだ。
でも、と心配症の私は思う。
もしバッテリーが切れたら?
もしスマホが壊れたら?
もしスマホを落としたら?
紙の地図とコンパスには少なくとも電池切れの心配はなし。
それから紙の地図のいいところはスマホと比べて圧倒的に表示範囲が広いこと。
表示範囲が広いということは情報量が大きいということだ。
目標地点をセットしながらコンパスに目標方向を固定。
紙地図をメインに歩き、時々GPSで現在地点を検証する。
これが最近の私の地図の使い方。
紙地図が嵩張るのと、見たいところをうまく表示させて折るのが難しいのが難点。
地図とコンパスの活用方法はWebで調べればいくらでも出てくるし本も沢山ある。
紙好きの私はこの本で勉強。実践練習編に私のホームグラウンドである六甲山が選定されていたのでこれに決めた。