命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録

時計回りの立山周回・二山縦走【4】:剱岳に見守られながら富山で一番高いところに立ってきた:【大汝山3015m】

立山周回・二山縦走:室堂平~劔御前小舎(泊)~別山~大汝山~雄山~室堂平 2日目_2

【登った時期】2021年7月中旬
【同行者】なし

プチ要塞:富士の折立によじ登る

地図から想像していたよりはるかに「壁」だった急登を登ったところは【富士の折立】の肩部分だった。

とりあえず呼吸を整え水分補給。

山頂はすぐそこに見えているが、、

プチ要塞。

あれって登れるの?

一時はスルーしようとしたが、休憩中のおじさんに

「荷物をここにデポして、剱岳見ておいで」と勧められ、挑戦することに。

なるほど、折立の陰からひょっこりのぞく劒岳。
今朝から嫌というほずっと見ているが、絶景ポイントと言われればまた行きたくなるもの。

別山直下のようにもろもろしていないので、慌てずゆっくり行けばそう怖いところは無く登れた。

富士の折立(2999m)

頂上からは360度くるりと遮るものない大絶景!
これは素敵だ。

勧めてくれた男性に大感謝。

まずは、今朝から歩いてきた道のりの先にそびえる剱岳。

黒っぽく岩々しい姿にはやはりラスボス感が漂っている。
そういえば、富士の折立:2999mというのは剱岳と同じではなかったか。
あの剱岳山頂と同じ高さにいるんだね。

反対側を見下ろせば黒部ダム。

振り返れば思ったより下の方にデポしてきたザックが見えた。
意外と登ってきたみたい。

その向こうに立山連峰最高峰の大汝山らしき塊が。

下りは登りよりちょっとハラハラするところもありびびる。
丁寧に丁寧に。

眼下に広がるゼブラ!を楽しむ余裕もなくプチ要塞から下りる。

富士の折立からはありがたいことに傾斜は緩めで歩きやすい広めの尾根だ。
岩々した尾根の室堂平側を登っていく。
富士の折立を出発する際、尾根の反対側(黒部ダム側)をちょいと覗いてみたら、すっこーーーんと切り立っており滑落したら黒部ダムまで落ちていきそうな恐ろしいことになっていた。
この快晴なので迷い込むことはないが、絶対にルートを外れないよう心に誓う。
もし天候が悪くうっかり反対側にずれていったらどんなに恐ろしいことだろうか。

大汝休憩所に到着。

宿泊はできないが、昼食やドリンクメニューはなかなかの品ぞろえのようだった。

バイオトイレはとてもきれいだ。
使用料100円を払って拝借する。
休憩所の後ろにそびえるのが大汝山。

少しずづだが雲も出てきたので、昼食前に山頂へ。

ここもなんとも岩々しい山頂だが、富士の折立ほど怖くない。

ペンキをたどって、ずずいのずいっ。

大汝山(3015m)に登頂

剱岳に見守られながら、立山連峰の最高峰にして、富山県の最高峰でもある大汝山(3015m)に登頂した!

頂上から黒部側を怖いもの見たさで覗く。
やはり、こちらはすっこーーーんと切れ落ちており高度感が半端ない。

山頂から下りて昼食大休憩。
大汝休憩所のまわりには平たい場所がよりどりみどりだ。
剱岳が見える場所に陣取って剱御前小舎で用意してもらったお弁当を開いた。

おにぎり2つと、おかずは魚肉ソーセージと煮物。つるんといけるゼリーが美味しい。

そういえば、計画時はそんなに気になっていなかった剱岳。

御前小舎で見えたらいいかな、くらいにしか思っていなかったのに。
2日目は歩いている間中ふと気がつけば剱。

振り返れば剱。

見渡せば剱。

皆が剱剣というのもわかるような気がした。

いつも剱岳を背後に感じながら歩いた1日。
見守ってくれていた剱岳のその姿も遂にガスに包まれようとしている。

そろそろここでさようならかな。

食事を終え、雄山への道を歩く。
立山周回もあと少し。
雄山への道も尾根の室堂平側に続いている。
それなりの高度感はあるけれど、ある程度の広さはあり歩きやすいガレ道だ。
このあたりから登山者が急に増えてきたのですれ違いと追い越され時に十分注意しながら進む。

ぽちっと雄山神社が見えてきた。

午後になり急激に雲が湧き上がる。

最後の急登を登る。

立山頂上峰本社で御祈祷を受ける

古来、富士山・白山と共に日本三霊山として信仰されてきた立山。
神社の公式サイトによると
「霊峰立山を神の山として奉斎する雄山神社は立山頂上峰本社・芦峅中宮祈願殿・岩峅前立社壇の三社殿から成り立っています。
海抜一万尺(三〇〇三m)北アルプス立山の主峰雄山の岩頭に鎮座。夏山シーズンには多くの登拝者で賑わう」

海抜一万尺っていうのがいいですなあ。

この海抜一万尺=3003mの神社では御祈祷を受けることができるのだ。

御祈祷は以前に受けているけれど、
この天空にたたずむ神主さんを見れば、、今回ももちろん行かずにはいられない。

青空と白い雲に橙色の衣が映える。

かっこいい。。

御祈祷料を払い、前の回の御祈祷が終わるのをしばし待つ。
天空の神主さんは実はトランシーバー(っていうの?)という文明の利器を隠し持っており、入り口の人と密接に連絡を取っているのだ。
安全な人数だけを安全に迎え入れ、それでいて効率よくさばいていかねばならないのだから大変なご苦労である。

前回の御祈祷を受けた人たちと入れ替わりに山頂へ。
「ゆっくりゆっくり。足元も見て!」と声がかかる。
神主さんは山頂へ登る人だけではなく社務所の前ではしゃぎまわる馬鹿者たちお調子者たちにも目を配っているのだ。
この日も社務所前の絶壁から身を乗り出して
「こえーーーっここから落ちたら余裕で死ねるぅ」とか騒いでいる愚か者若者に「危ないから離れなさい!!」とものすごい大音声で怒鳴りつけて注意していた。
「あそこから本当に落ちて死んだ人いるからね。。」とのこと。

神主さんに本来のお仕事以外の心煩いをさせないで欲しいものだ。

頂上峰本社のあるところが雄山頂上(3003m)だ。

立山信仰ではここが【現世の山】になるという。
現世の山はやや雲とガスに覆われ青空は曇りがちだった。
現世の山で祝詞をあげてもらうというのは、色々考えさせられるものがある。
ここでゆっくり現在について考えるというのもオツだと思うけれど、静謐だった【未来の別山】と違い、とにかく人多すぎで落ち着かない。

隣では相変わらず神主さんが絶叫しているし。

いや、まさにこれが【現世】というものか。

やはり、ここから人気の少なくなる静かな道を人生について考えながら別山に向かうのが正解なのかもしれない。

いよいよ頂上峰本社で御祈祷を受ける。

神主さんの祝詞が海抜一万尺の空に朗々と響き渡る。
それはそれは感動的なひと時なのだけど、

「全国から老いも若きも~~よじ登りし…」
というところで、どうしても笑えてしまう罰当たりな私。

ええ、ええ、よじ登ってきましたよ神様!(*´▽`*)

がんばってよじ登ってきた善良な老若男女が安全に下りるよう見守る神主さん。

黒部側は絶壁。
まさに天空の神職。
「待ちかねたぞ、勇者ビブ丸」って言ってくれそう。

浄土山はあきらめ室堂平へまっしぐら

社務所で御朱印もいただき、さあ気を引き締めて最後の急傾斜を下りるのだ。
ここで時間と脚の疲れを考え、浄土山はすっぱりあきらめることにした。
三山縦走を二山縦走へと予定変更。

【過去の山】はまたゆっくり登って己を顧みることにしよう。

やはり時計回りにして良かった。

もろもろと崩れやすいガレ場を一の越に向かって下りる。
こんな午後遅い時間にも登ってくる観光客が多く、大混雑だ。

登り下りを分けている部分でもペンキを無視して突っ込んでくる人もいる。
大混乱。

ずるずる滑りがちな傾斜をじぐざぐと。

やっと一の越まで下りてきた。

時刻は14:30。
厚い雲が室堂平を覆いつつある。

あとは気を抜いてつるっといかないよう石畳を行く。
ところどころ雪が残って石畳を覆っている部分がある。
雪渓が苦手な私には緊張を強いられるところもあったが、なんとか乗り越え、

ついにみくりが池温泉が見えてきた時の嬉しさや。

時計回りの縦走は鈍足初心者にお勧め

天気予報通り、翌朝は朝から厚めの雲が立ち込めていた。
昨日は晴れ渡っていた稜線もガスの中。

2日間天候に恵まれ、本当にすばらしい復活登山になったことを感謝。

どちら周りに歩くかは悩ましかったが、今回の場合は時計回りにして大正解だった。

 

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・初日は体を慣らしながら、物足りない位がちょうどよい歩行距離
・昼時、夕暮れ、早朝と剱岳をゆっくり眺められた
・疲労がたまってくる2日目の午後はいくつかのポイントをスルーしても満足度高し
 (私は浄土山をあきらめた。場合によっては富士の折立や真砂岳も巻けばいい)
・実際歩いてはいないけど、一の越から室堂の方が剱御前から室堂より断然楽に歩けると思われる

反時計回りのメリットとして「大混雑の一の越から雄山を空いている時間帯に通り抜けられる」というのが大きいようだが、私は超鈍足なのでメリットにはならないと感じた。
確かに不慣れな観光客も多くもたつくことが多いけれど、自分もたいして早くないのでイライラせずむしろ焦らずゆっくり下りられたので気にならなかった、というところだ。

でも、普通の速度で歩く人にはかなりのイラっとポイントになると思われる。
あの部分だけは休日の六甲山ロックガーデンみたいになっていたもんね。

 

ターミナルへはぐるっと回り道して、みどり池の前を通っていく。
みくりが池は観光客に大人気だが、みどり池の周りはいつ来ても閑散としているのでお気に入りのスポットだ。

誰も来ないベンチに寝転んで雲を眺め、ぼんやりと水の音を聞く。

雷鳥というのは天気が悪いと出てくるというのは本当らしく、最後に雛と母鳥を見ることができた。

雛はひよひよと落ち着きがない。
好奇心いっぱいで駆け巡っている。

きりきりっと周りを伺う母。

可愛いなあ、カッコいいなあ、と雷鳥親子を眺め、
その後もぼやぼやしているとあっという間に暗雲が立ち込めていた。

 

ありがとう立山。

また来るよ!