登山を始めるため登山用ザックを買うことにした私は、いくつかの店舗をまわったあと女性専用のものを購入することに決めた。
されど背負い心地の差がさっぱりわからない
女性専用モデルから選ぶことにすると、途端に選択肢は狭くなる。
Deuterドイター、Milletミレー、karrimor カリマー、あと幾つかはあったような気がするが、もうはっきりとは覚えていない。
基本の背負い方を教わった後は重りを入れてくれたザックを全部背負ってみた。
「背負い心地が違うでしょう?」とスタッフに言われるも。
これはまた、、、
わかりません!
悲しいことに登山靴の時と同様、いやそれ以上に差が感じられない。
どれもふだんタウンユースしているリュックと比べてがっちりしてるなあ、くらいの感想しか出ないのである。
…初めて背負う登山ザックだもん、こんなもんよね。と思うけれど私の感度が鈍いのかもしれない。
困ったものだ。
困ったものだが、何度背負い比べても差がぴんとこないので、使いやすそうなもので好きな色があるものから選ぶことにした。
で、結局選んだのは、
DeuterFUTURA ドイターフューチュラ22 SL
ドイターのザックは”SL”とついているのが女性用。
そして店頭に並んでいる女性用ザックには黄色い花が飾ってあるのだ。
まさかこれをつけたまま背負う人はいないだろうが、ドイターのWebサイトでは山を登ってるモデルさんのザックには花がついたままだ。
なかなか徹底している。
店頭でザックを選ぶときにはぱっと目に飛び込んでくるのでわかりやすい。にしてもわざわざ造花にしなくても花の形のタグとかでいいと思うんだけど。
ちなみにこの花を見るとタイ航空に乗ると強制的にプレゼントされる蘭の花を思い出す。
(最近は知らないけど、以前はいつもプレゼントされていた)
きれいだし気分は盛り上がるが、これをもらった後どうすればいいのか悩ましいところが似ている。
黄色いお花のドイターに決めた理由
黄色いお花の話は置いといて、、決め手はこんな感じだった。
・背中のメッシュパネル
背中に当たる部分にメッシュパネルが 装着されているが、これによって背中とザックの間に完全なる空間がある。
密着しない。
蒸れない。
日帰りでの低山登山を想定しているので、これは魅力的に感じた。
夏の関西は暑いのだ。
↓ にぎりこぶしが入るほど空間があるのだ
・レインカバーが内蔵されている
レインカバーを知らなかった私であるが、スタッフが
「内蔵されているので別途買わなくて大丈夫ですよ」と教えてくれてその存在を知った。
登山用リュックと言えども雨の時はちゃんとカバーをしなきゃだめなのね。
というか、雨の中を歩くことなど全く考えていなかったぬるい自分。
とにかく絶対必要なものを別途買わなくていいのはポイント高し。
・好きな色があった(黒、青、グレーの渋好み。よく見るとGraniteGearそっくり)
・主にザックを作っているメーカーらしい
ドイターはザック専門メーカーではないみたいだが、なんでも作っている総合メーカーというわけではなさそう。
私は幼い頃から「専用」とか「専門メーカー」とかに弱いのだ。
3倍速い赤い奴の影響かもしれない。
登山用品ブランドについてほとんど知らなかった当時は特に「餅は餅屋」という言葉が頭をよぎり、専門メーカーから選ぶのが間違いないかと考えた。
ドイターフューチュラ22 SLを約3年使用した感想
そして時は流れた。
3年間、春から秋にかけての日帰り登山にみっちり使用。実際に使ってみていくつか気になる点はあったもののほぼ満足の選択だった。
小さいながらも登山ザックについているほとんどの基本機能がついているので、それらの使い方を実践できる良い選択だったのではと思っている。
軽量のザックは機能性を削っているものが多いし、生地も薄かったりするので、私のような初心者が登山用ザックを買う時は、多少重くても「基本機能がついたしっかりしたつくりの物」から始めるのがいいと思う。
重さ:約1.1㎏
「背中が蒸れないシステム」のためだろう、日帰り用のこのサイズにしては重い方だと思う。
機能:登山専用ザックについている基本的な機能はほぼついている。
一体何に使うのだろう、、と思っていた謎ベルトや謎金具の使い方をこのザックで覚えていった。
・チェストストラップ
・ショルダースタビライザー
・ザックの下部とサイドポケットのそばにループ
・ハイドレーションシステム
などなど。
収納について:
メイン収納部をひらくと背中に沿って薄いポケットがひとつ。
当初、なーんか使いにくいなあと思ってたら、ハイドレーションのパックを入れるポケットだったようだ。ポケットの上部にチューブを通す穴があいている。
メイン収納部の底はファスナーで開く仕切りになっており、ポケットと繋げることもできる。
↓ 背中の上部ポケット内には、メッシュの小分けポケットとキーチェーン。
↓ 背中の下部ポケット。
ポケット内のファスナーを開くとメイン収納部と一体化する。
最初はポケットを独立させてレインウェアなどを入れていたが、一体化させる方が収納力が増すので仕切りはなくてもいい気がする。
下部ポケットからメインにアクセスできるのは便利。
良かった点
・背中のメッシュパネルが快適
パネルの存在はサイズのわりに重いという欠点にも繋がるのだが、欠点と引き換えに得られる快適さ。
蒸し暑い夏の関西低山を歩くとき背中にザックが密着しないのはとても良かった。
・丸洗いできる
取り扱い説明書に「丸洗いOK」とか書かれていたので安心してざぶざぶ洗えた。
どんなザックでも丸洗いできるのかもしれないけれど、知人のザックには「丸洗い禁止」と書いてあるので、やはり躊躇するそう。
・レインカバー内蔵
忘れることがない。
ポケットにはレインパンツくらいは入るので、常に一緒に入れておいた。
ポケット内部と短い紐で接続されており、そのままカバーできるので絶対なくさない。
数回しか使わなかったものを別途買わずにすんだ。
↑ 下部にファスナーがありそこからべろーんと出てくる。
・ハイドレーションシステムがついていた
購入時は「なんだこの穴は」と思った謎の穴であったが、大変便利なものと知った後は「あって良かった穴」になった。
使いにくかった点
・ヒップベルトにポケットがない
このサイズになるとこういうものかもしれないけれど、ヒップベルトにポケットがない。ちょこっとしたものやスマホを入れるところがなくて不自由。
当時はサコシュを使うことを思いつかなかったので、スマホはパンツやジャケットのポケットに入れ、その他のものは使うたびにザックをおろして「めんどくさいなあ」と思っていた。
→その後サコシュを使うことを覚えて解消。
ちなみにベルト自体はしっかりしている。
・ショルダーハーネスにデイジーチェーンが少ない
ドリンクホルダーとデジカメケースをショルダーハーネスにつけようとしたら、ひっかける部分が無さ過ぎて難儀した。
→その後サコシュとハイドレーションシステムを使うことを覚えて解消。
・見かけより物が入らない
背中とザックが密着しないようにがっちりとワイヤーが入っているので、背中側には伸縮性が全くない。ぱっと見た感じほど物が入らなかった。
防寒着や保温ボトルはさすがに入れることができずに冬の使用は断念。
・自立しない
お尻が座ってないのでぱたぱた倒れる。
収納についての不満がほとんどで、背負い心地に不満はなかった。
まあまあ重いけど、当時はこんなものだと思っていたし春夏の日帰りだとたいした荷物も入れないのでそんなに気にはならない。
なかなか頑丈で、手荒に扱い何度か丸洗いもしているけれど全然へたれていない。
最近日帰り用にかなり軽いザックも購入したけれど、軽いザックは背中にしっとりと寄り添ってくるので、蒸し暑い夏の低山にはやはりこっちかなあと思っている。