我が家に潜んでいたGRANITE GEAR
登山靴を手に入れた私は次にザックを手に入れることにした。
いざザックを買おうと思ってふと思い出したのだが、なんと我が家には大きめサイズの登山用ザックが存在していた。鉄道を多用する海外旅行用に使用したもので、最近は「災害時避難用リュック」として非常食や水を詰めて眠っていたのですっかり忘れていた。
*海外鉄道メイン旅行をする時は階段のみの駅や石畳を歩くことが多いのでキャリーよりもリュックを愛用
引っ張り出してみたところ、30リットルくらいのGRANITE GEAR(グラナイトギア)だった。購入時に今時の登山ザックっぽいものも勧められた気がするけど、自分には合わないデザインだなあと思い、ちょっとレトロなデザインとくすんだ青い色が気に入ったこれを買ったのだった。
あの頃はよもや数年後に自分が登山を始めるとは思ってもいなかった。思っていたらもう少し真剣に選んだのだけど。
真剣に選ばなかった証拠に、このザックは後に小屋泊デビュー時のお供を務めて日の目をあびた後、再び「災害時避難用リュック」に戻るのである。
ごめんね。
まず日帰り用を購入
今にして思うと、特に「日帰り用」を用意しなくても、この小屋1泊サイズのもの1つを使いまわせば事足りたのだが、近所の山を日帰りで登るだけのつもりだった当初はGRANITE GEARは大きすぎるように感じた。
荷物が少ない時はサイドのベルトで圧縮してコンパクトにすることも当時は知らなかったので大げさな気がしたし、ザックそのものも結構重く、こんな巨大なものを背負って山道を登るなんて想像しただけでよろめく気もした。
…でも正直言うと、結局は「新しいこと始めて舞い上がってた」ことに尽きる。
特に私はなんでも「形から入りたい」タイプなので、登山を始めると決意したとたん、嬉しくなってどんどん装備を揃えたくなってしまったのだ。
というわけで、勇んで出かけたザック売り場は登山靴売り場よりさらに圧迫感がある陳列だ。
壁にずらーっどどどんと吊るされたザック達はとにかくいかついごついイメージで、何に使うんだろうか謎めいた紐とか金具とかがブラブラしている。
今回ももちろん、さっさとスタッフに助けを求め簡単に希望を伝えた。
・登山初めて
・日帰り用
・ブランドはよくわからないので気にしないけど、色は気にする
登山靴購入時は「色は気にすんな!」と言い渡され納得したのだが、ザックの色くらいはこだわりたい。
なんたって靴とは比べ物にならないくらい面積が大きいのだ。
全身の3分の1近くを占めるともいえる。好きな色、とまではいかなくても嫌いな色や苦手な色は避けたいと思った。
ま、背負ってしまえば自分にはほぼ見えないけど。
「小屋泊に使用できるサイズを日帰りにも使えます」と提案してくれるスタッフもいたが、「圧迫陳列された巨大なザック軍団」にちょっとびびってしまった私は当初の希望通り日帰りサイズを探してもらうことにした。
登山ザックには女性用があることを知る
希望を伝えた後は登山靴購入時のように、「背負って背負って背負いまくれ!」とばかりに次から次へと多数のザックが並ぶのだろう、と思っていたら予想は裏切られた。
なんとザックには女性専用モデルなるものがあるらしい!
後で色々調べてみたところ、単に小さいだけというわけではなく男女の体格の違いを考慮して女性に合わせたデザインになっているらしい。
そうは言われても肩幅や骨盤、バストについては正直あまりぴんとこないけど、背面長についてはとてもわかりやすい。
ちなみにDeuterドイターのサイトによると、同じ身長でも骨格の違いによって男性より女性の方が脚が長く背中が短いんだそうだ。
確かにモデルや俳優でも脚が体の半分以上あるんじゃないかと驚愕するのはたいてい女性のような気がするので、これは本当かも。
購入時にはそこまで詳しく説明されたわけではなく、
「女性の体格に合わせて設計されている。背面長が短めに作られているからフィットして楽に背負える」というようなざくっとした説明だったので、
「要するに小さいってこと?
じゃあ、ほぼ平均身長の自分は女性モデルにした方が無難だろうな」
くらいの気持ちで女性用モデルから選ぶことにした。