命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録

阪神間育ちにとって身近な山はもちろん六甲山だがなめてはいけない

【登った時期】2016年4月下旬
【同行者】友人1名

私にとって近所の山といえば今も昔も六甲山

これを書いている現在登山は自粛中だが、登れるようになったらまずは六甲山を目指すことになるだろう。
阪神間で育った為、子供の頃から馴染みがあったというか近所の山といえば六甲山だ。
阪神タイガースファンじゃないけど「六甲おろし」は歌えちゃう。
校歌にもばんばん出てくるし、遠足でも六甲登山。

六甲山は「近代登山発祥の地」でもあるらしい。
日本で最初のゴルフ場も六甲山。
ついでに、映画興行やラムネやウスターソースも神戸が日本初。
神戸っ子は新しいもの好きのハイカラさんだったのだ。

というわけで、登山を始めて数回軽いハイキングをした後は「やっぱり六甲山でしょ」と深く考えずに六甲山に登ることにした。

なんたって小学生の頃から幾度となく遠足登山しているのだ。しんどかった覚えも全然ない。
確か頂上には茶店もあったし、久しぶりとはいえ余裕でしょ。

…私は六甲山を甘く見ていた。

六甲山登山の王道コースを数十年ぶりに登る

六甲山系には登山コースも登山口も多数あるが、王道と言っていいコースを登った。
阪急芦屋川駅から岩あり小川ありゴルフ場あり?というなかなかバラエティに富んだコースを抜けて最高峰に達し、登山口とは反対側の有馬温泉に下山するコースだ。

阪急芦屋川駅からは芦屋川沿いに住宅街を抜けていく。桜の季節に訪れるとこんな美しい桜が見られるときも。(この写真は4月上旬頃)

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最高峰は931m
スタート地点芦屋川駅の標高は32m。標高差約900mあるので、学生時代の体育の授業以外はほぼ運動をしないで数十年を誇る「体力なし筋肉なし」のたおやめがちょろい気持ちで挑んではいけなかったのだ。
しかも住宅街を抜けて登山口に着くといきなり「日本ロッククライミング発祥の地」である「芦屋ロックガーデン」なる岩山部分があり、これがかなり急登。
私はここを「関西三大急登のひとつ」と呼んでいる。あと2つは知らない。

この時の同行者は同年代の友人だが、彼女はジムに通ってがんがん走ったりテニスしたりと常に運動しているからかものすごく体力がある。
芦屋川駅から登山口まで、ゆるやかに登る舗装道路を歩くだけで私は息が切れ、会話もままならぬ状態であった。
高座の滝(登山口)でトイレと軽い休憩を終え、「関西三大急登のひとつ」を少し登っただけでもう息が切れて、10分登っては休み、、を繰り返す私はあっという間に彼女の背中を見失った。

今でこそ、登山の際は同行者と離れてはいけないということがわかっているけれど、当時は牛歩の自分につきあってのろのろ歩いてもらうのが申し訳なく、先に行って休憩ポイントで待ってもらわなければ心苦しかった。
ベストシーズンの六甲山は常に前後に人気が絶えないので、不安を感じることはなかったとはいうものの、毎年滑落事故もおき亡くなる人もいる山である。不慣れな自分が怪我したり道に迷ったりしなくて本当に良かったと思う。

久しぶりの六甲山にてわが身の老朽化を思い知る

それにしても、こんなにしんどい山だったとは、、若さってすごい。こんな体力の無いたおやめの私でも学生の頃は何とも思わず登っていたんだもの。
(しんどかった思い出がないということはおそらくひょひょい登っていたのだろう)

途中のポイント「風吹岩」は猫が住み着いていることで有名だが、これまた六甲山名物「イノシシ」が現れることもある。
こうなると、人間は食べ物目当てのイノシシに襲われることを恐れ「風吹岩」に上っておびえるのみ。
猫は全く動じず。

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「風吹岩」からは阪急岡本駅に下る道の分岐点でもある。
もうここであきらめて下山したいくらいだが、こんなところで撤退するわけにはいかないのだ。
私達はここでは小休憩のみ。
再び登り始める。

とにかくどんどん抜かされていく。小学生にも、高齢登山者にも、歩きにくそうなデニムパンツはいてザックではなくメッセンジャーバッグ斜め掛けというなめた服装の若いカップルにも、幼児を背負ったお父さんにも抜かされる。
どんどん抜かされながら、私はこんなにも体の老朽化が進んでいたことを思い知らされる。

G.W.のよく晴れた日だった。
汗が背中を流れるのを感じる。
ふだんそう汗かきではないのだが、額も頭髪の中もまさに滝のように汗が流れる。
わあ、デトーックス!」と伝えたいが、
ポイントポイントで待ってくれている友人に、目で合図するもののほぼ無言。会話もできないほど息切れしており、呼吸が整ったころはもう歩きださなくてはならないのだ。
そうして、岩をよじ登り、岩の間を下ってはまた登り、小川を超え、ゴルフ場の間をすり抜け、樹林帯を抜け、、やがて最後の難所「七曲り」を登っていく。

最後の難所七曲りを超え遂に山頂へ!

ところで七曲りってなんなの、
七どころか十を超えて曲がっても曲がってもまだ先があるじゃないか!
「七つ」じゃなくて「たくさん」て意味なんだろうけど、だったらいっそ「九十九曲がり」とか「いろは曲がり」とかにしといてよ。
心の中で毒づきながらひたすら登る。
体力も筋肉もない私だが、実は根性だけはわりとあるのだ。
もう1歩の歩幅が小さすぎて、「なに、あの人歩いてるの?つまずいてるの?」と思われていそうな歩みだが、とにかく前に足を出す。

右。

左。

右。

そして、永遠に曲がり続けるかと思われた七曲りも遂に終わり、登山道に人工的な香りが感じられた頃、ようやくようやく「一軒茶屋」に到着。

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「六甲山頂」と書いてあるけれど、油断してはいけない。
本当の山頂はここから更に5分ほど登る。

さえぎるもののない舗装路なので照り返しも激しい熱い道だ。
あきらめることなくひたすら足を前に出していき、遂に六甲山頂に辿りついた!

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数十年ぶりの六甲山は厳しい山であった。
長い道のりだった。
六甲山、ほんとなめててすみません。

また楽しく登山ができるようになったら、また登らせていただきます!