命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録

群馬と栃木で一番高いところに立ってきた_4:ロープウェイ山頂駅から登る【日光白根山2578m】

ロープウェイ山頂駅~七色平分岐~日光白根山~鞍部~七色平北分岐~ロープウェイ山頂駅

【登った時期】2023年06月下旬
【同行者】なし

ほぼ曇りという微妙な天候ではあるものの、すばらしく快適で静かな一夜を過ごせた白根山プレミアムキャンピング。
心地よい眠りから目覚めを誘ったのは鳥のさえずりだった。

やっとお目にかかれた日光白根山はこれ以上ない程だった

鳥?

ということは雨ではない?

明るい。

時計を見ると4時過ぎだ。

シュラフから這い出してテントのドアを開けてみると。

そこには昨日一度もお目にかかることのなかった日光白根山の勇姿が、どーんとそびえているではないか(#^^#)!

これが関東以北最高峰の日光白根山。

この姿は、、、なんというか、、めっちゃじゃない?
昔の人がこの山を見て「山」という漢字を思いついたんじゃない??

と想像しちゃうくらい「山」の漢字そのものではないだろうか。
独立峰だけにその姿が際立って、見事なほどにである。

▼ロープウェイ山頂駅の標識の向こうに、ちゃんと白根山はいた。

他の参加者はまだ寝ているようだが、
これだけ広いエリアに散らばっているので遠慮なく支度ができる。
急いで朝食をすませ、テントを撤収。
テント泊は回数こなせていないため、なかなか手際よくこなせない。今日は必要ないものは置いて行けるので適当にザックに詰めてロープウェイ駅の棚にデポ。
アタックザックで身軽になって出発だ。

山頂駅から蜘蛛の糸をかき分けながら登山開始

二荒山神社の鳥居をくぐって進む。

二荒山神社にお参りし清々しい気持ちで出発。

早朝の白い光が降り注ぐゲートを開けて進む。

頂上への登山コースだけではなく散策路も整備されているので所々にわかりやすい案内があった。

しばらくは歩きやすい樹林帯。
木々の間から舞台照明のように光がさしこみ心が躍る。
身も踊る。

歩くのが遅くて朝の支度も手際がよくない私にとって非常に珍しいことに、今日はコースを最初に歩く人である。

その証拠に、蜘蛛の糸をかぶるかぶる。
蜘蛛は毒さえなければ気にならないので、いくら糸をかぶっても平気。
平気だけど顔に糸がからまるとうっとおしいので、ストックで前方の空気をかきまわしながら進む。

それにしても蜘蛛はすごい。
こんなに幅の広い道を横断して糸を架けることがことができるなんて。

植生のせいか芋虫がいなくてほっとする。
もちろんどこかに何万匹もいるんだろうけど、目につくところにぷらんぷらん下がっていたり地面にうにょうにょしてないので嬉しい。

樹林帯が少し途切れて遠方が見えた。

緩い道で体が十分温まったあたりでやや急な登りに道が変わってきた。
足下も悪いので気をつけて登る。

木々もまばらになっていく中をそろそろ登ると

目の前がぱあっと開けた。
青空が眩しい!

と思う間もなく、さあっと流れてくるガスに包まれる。

すぐにまた青空が広がるという繰り返し。
幸い道を見失うほどの濃いガスではない。
この薄いガスと青空があっという間に入れ替わる繰り返しは富士山や御嶽山に登った時のことを思い出させる。
登山道の雰囲気も似ているし。
独立峰の天気ってこういう感じなのだろうか。
広々としたガレ道・ザレ道を登っていく。

山頂まであと300m地点まで来たが、ここからが長かった。
ここをそのまま登って行けば頂上かと思いきや

そう甘くはないようで、また雰囲気の違う道が続く。

山頂まであと200m地点。
登山時はいつも思うけど、さっきの標識からここまでほんとに100m?
ずいぶん遠い100mじゃないの。

頂上手前のピークに鎮座する奥白根神社。
ここまでの無事な登山のお礼を申し上げる。

神社から一度下り、みあげたところが今度こそ山頂だろう。

最後の急登、岩の間を気をつけて登っていく。

関東以北最高峰である山頂に到着

到着!!

日光白根山 標高2578mに登頂!

群馬県と栃木県最高峰だ。
そしてここより北にはこれより高いところは無し。

ロープウェイ山頂駅登山口の標高2000m、山頂2578mなので標高差578mを登って登頂できた。
ありがたいことです。

頂上は広くないが、少し離れれば休憩できる場所はぱらぱらとある。そんな中の岩に座って少し休憩した。
雲が流れる大好きな光景をうっとり眺めよう。


相変わらず青空が広がったりガスが現れたりの天候だがさわやかでとても気持ちがいい。天候次第では日光の山々、富士山まで見えるそうだ。
今日は雲がしっかりあって遠方の展望はのぞめないが、青い空のもと登頂を果たせただけで充分満足。

ガスの合間に見える美しい色は五色沼だろう。

美しい池を見ながらの下山道

しばらく休憩後、下山開始。
登ってきた道に戻らず弥陀ヶ池の方へ下りて行き、周遊してロープウェイ駅に戻ることにした。

登ってくる人たちはものすごい汗だくで、かなりしんどそう。
崩れやすそうなので石を落とさぬよう気をつけて下りて行く。急な下りだがゆっくり行けば大丈夫。

往路に登ったザレ場を降りるのは滑って大変そうなのでこのコースを下って良かった。私はザレ道を下りるのが苦手だし、温度が上がってからあそこを歩くのをはきっとかなり熱いだろう。

少し平坦なところまで下りて振り返る。

右に五色沼、左に弥陀ヶ池。
立ち寄りたい気持ちはあるけど、1日数本のバスに乗り遅れると非常にまずいのでここから眺めるだけにする。

やわらかな緑の道まで下りて来た。

ここからはゆるく上り下りしながら歩きやすい道。
ポイント毎に立っている道標もわかりやすい。

散策路コースのあたりまで戻ってきた。

往路には通らなかった【血の池地獄】
なかなか恐ろしい説明が書かれているが、池は全く赤くないので今一つ心に響かない。

散策路は往路に通った道に繋がった。
朝は光の加減でまばゆい程に美しく見えたのに帰りは普通の道だった。
光って大事。

無事に二荒山神社まで戻ってきた。
お参りしてほっと一息。

雲に覆われつつあるが、日光白根山はのお手本のような姿をまだ見せてくれていた。

青空に恵まれた今日は足湯を利用する人たちも多い。

足湯コーナーにある休憩スペースも気持ちよさそう。

ありがとう、白根山プレミアムキャンピング。
おかげでゆっくりと登山を楽しめましたよ。

帰りのバスは私以外にも数名乗客がおり、なんだかほっとした。

樹林帯があって
ザレ場があって
岩があって
緑の小道があって
とてもバランスのいい山だと感じた。

しかも、ロープウェイでばびゅーんと行けば標高差600m弱で頂上に立てる。
体力に自信のない私でも楽しく登れる有難い山だ。

また登りたい。

登りたいけど遠い。