命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録

みくりが池温泉:歩いてしか行けないけれど難易度は低き日本最高所の温泉

みくりが池温泉

泊まった時期:
2020年11月上旬(同宿者1名)ひたすら温泉を楽しむために訪問
2021年6月中旬(同宿者なし)
2021年7月中旬(同宿者なし)

立山室堂平のみくりが池のほとりに立つ大好きなみくりが池温泉は、

日本一高所(標高2410m)の天然温泉として有名だ。

でも、高原バスで行ける室堂平にあるためそこまで高所にある感じはしないかも。

私は温泉が好きだけど、お湯についての良しあしは正直よくわからない。
でもここのお湯は大好きだ。
硫黄臭がする白いお湯が好きなこともあるけれど、一番好きだと感じるのはやはり立山連峰とセットになっているからだろうか。

立山の魔力がそうさせるのかもしれないが、、

山ありお湯良し食事良し!の1番好きな温泉だ。

 

営業期間:冬期休業のため4月半ばから11月下旬

日帰り入浴:可(9:00~16:00)シーズンによって変動がありそうなので要確認

1人宿泊:いつでも可能。但し相部屋(女性専用部屋あり)

宿泊者の入浴:8:00~09:00の清掃時間以外は23時間いつでも可能。
チェックアウト後も入れるというのが有難い。
(宿泊翌日に山歩きした後入浴できる)

源泉は地獄谷にあり、無加水・無加温、男女別の内湯が一つずつ。

宿泊施設としては、山小屋と旅館の中間くらいの位置にある感じ。

立地とアクセス

駅からのアクセス

室生ターミナルからゆっくり歩いて15分程度。
夏はスニーカーや強者ならサンダルでも歩けるが、石畳なので爪先が露出する靴やヒールは避けた方がいい。

積雪時はこんな感じ。
天候によるとターミナルから出るといきなり白い世界に放り出されたりする。
凍っているところもあるので、雪に慣れていない私はチェーンスパイクや簡易アイゼンをつけて行く。
雪に埋もれそうな道標を見て間違えないように進む。

うっかり滑って転げ落ちたらそのままみくりが池に吸い込まれるかもしれない。
ちょっと怖い。

こんな天気の日は温泉の建物が見えた時の喜びもひとしお。

立地

みくりが池のほとり。

みくりが池温泉の前の階段のどこからかみくりが池を見ると【ハート♡】に見えるという話だが、私は見たことがない。

部屋と館内設備

部屋

これまで泊まったことがある部屋は3種類。
山小屋と旅館の中間的な宿なので基本は相部屋だが、本気の山小屋の様にぎゅうぎゅうに詰め込まれることは無し。
ちゃんと一人に1つずつのベッドが提供されるので安心して泊まれる。

 

相部屋:1部屋に6名。幅広目のがっちり2段ベッドが並んでいる。

幅は一般的なシングルベッドよりかなり広くて、普通サイズの布団をひいても左右に余裕がある。
更にベッドの間にわずからながら隙間があるので個室感は高め。
個別にコンセントと電灯あり。

通路は狭いけど通れる幅さえあればいいので個人スペースが広いのはありがたい。

そしてなんと、ゴミ箱がある!

 

デラックス相部屋:一部屋にシングル寝台が4つ縦に並んでいる。
寝台の幅は狭いけど、天井が高いし出入りしやすくて快適。
荷物もベッドの足元に充分置けるし簡易テーブル的な部分もあって便利。
私が泊まった時は他に利用者がおらず個室状態だったため良き思い出しかないが、
満室だったら通常の女性専用相部屋のほうが落ち着くかもしれない。

 

個室:シーズンオフに友人と2名で個室利用できた。
ごく普通の和室。山小屋なのでアメニティは何もない。

だが、しかし、ゴミ箱がある!

温泉

源泉

源泉は地獄谷。
宿の裏で激しく煙をあげている。

以前は地獄谷を通って雷鳥沢温泉まで遊歩道を歩けたそうだが、有害な火山ガスが急増したため、現在は立入禁止になっている。

浴室

無加水・無加温
男女別の内湯が一つずつ。
お湯は熱め。
湯船が2つあり、片方がぬるいはずだがなぜかいつも同じくらい熱いように思う。
熱すぎて入れないときは水を足してうめることは可能。

2400mの高所の山小屋なのになんとシャンプーも使える。
使用量は控えめに。
シャワーもカランもあり。

露天風呂もないし内湯も1種類だけど、とにかくここのお湯が好き。
青みがかった白い硫黄臭のあるお湯は芯から暖まるし酸性のせいか肌もつるつる。
かなり熱めなので長時間は入っていられないけれど、23時間いつでも入れるという点を生かし、無理な長湯はせず何度も何度も通うという楽しみ方をした。
特に11月に訪れた時は宿泊客が少なかったためいつ行ってもほぼ貸切。
入っては昼寝し、入ってはお茶を飲み、夜中にも目が覚めると入りに行き、、と10回近く通ってしまった。

カランのお湯で髪がつるつる・・・?

つるつるといえば、みくりが池温泉で洗髪するとちょっと楽しみな事がある。
こちらのカランから出るお湯で髪を洗うとあーら不思議。
いつも爆発してもっさもさになる私の癖毛がつるつるとまとまりやすくなるのだ。

気づいたきっかけは乾かす前にヘアオイルをつけ忘れたこと。
乾燥してまとまらない癖毛のためアウトバストリートメントは必須なのに、うっかりそのままドライヤーで乾かしてしまったのだ。
ところがどっこい、なんと髪がつるつる手触り良くまとまっているではないか!

カランのお湯はあまり硫黄臭がしないため地下水を沸かしているのかと思っているのだが、ミネラル成分いっぱいそうな地下水が癖毛をまとめてくれるのだろうか。

謎だ。

ここのお湯で毎日髪を洗いたいよーっ

 

そっけない脱衣所だがロッカーには鍵があるので安心。
(部屋には鍵がないのでかなり嬉しい)
洗面台は1つしかないけど浴室の外にあるので大丈夫。

ドライヤーは浴室の外の洗面コーナーにある。
洗面コーナーは浴室のすぐそばと、宿泊エリアのトイレ前の2か所。

食事

山小屋とは思えないほど凝った美味しい食事が供される。
和洋折衷な感じで結構面白いメニューだと思う。

ごはんとお汁はおかわりできる。

ある時の夕食。

夕食は食堂で。
シーズンオフ以外は2回に分かれて案内される。

ある時の朝食。

またある時の夕食。

食堂の壁に毎日貼りだされるお品書き

昼食と喫茶みくり

みくりが池温泉には食堂以外に【喫茶みくり】というカフェ的なものがあり、トースト、飲み物、ケーキにソフトクリームなどがそろっている。

必ず食べてしまうのは「エンマさまのホットピザ」
3種類の辛いソースを好きなだけかけて、、、
辛うま!

11月に訪問した時はみくりが池温泉でお昼ご飯をいただいた。
ランチタイムは定食や麺・どんぶり系以外にも居酒屋みたいな一品メニューもなかなか豊富。

食堂と喫茶みくりでそれぞれ注文したものを一緒に好きな場所で食べられるので、双方から色々頼む。

食堂からはお酒のあてのような料理を選択。
お酒はあまり飲めないけれど、あて系は大好き。
喫茶みくりからはもちろんエンマさまのホットピザ。

こじんまりと落ち着く喫茶みくりのテーブルでいただきまーす。

その他

建物の前には気持ちのいいテラスあり。

冬はこんな風に閉まっているけど、夏は左側の窓から喫茶みくりのメニューをオーダーできる。

立山の美しい山並みを眺めながら食べるエンマさまのホットピザは最高。

 

冷水器もあるけど、全蛇口から美味しい飲料水が出るのでとにかく水には困らない。
部屋には湯沸かしポットはないが、熱いお茶(お湯)は食堂でもらえるので部屋で熱いお茶を飲みたいときは保温ポットを持っていく。

廊下もキレイ

トイレもキレイ

個室(和室)や相部屋にもゴミ箱があって「あっ」と驚いたが、

階段の雑誌コーナーに、なんと分別ゴミ箱までが!

2400mの山でゴミを捨てることができるなんて、なんと有難いことでしょう。
感謝しながら捨てさせていただきました。

そういえば、みくりが池温泉よりももっと山小屋に近いというかほぼ山小屋である一の越山荘にもゴミ箱があったような気がする。
もしかしたら室堂の宿にはすべてゴミ箱があるのかも。

 

温泉の前では高い確率で雷鳥に遭遇する。
宿の前の石畳を歩いていたり、人気の少ないテラスでぼーっとしていたら飛んでいるところを見たり、ぐぇーーっという変な鳴き声が聞こえたことも。
11月には冬毛になりまんまるになった姿に出会えた。
ふっさふさの靴下をはいた足のなんと可愛いことよ。

 

宿泊施設としては山小屋と温泉旅館の間、やや旅館寄りの位置づけにあるようなみくりが池温泉。
一般観光客が多いエリアならではの、そのさじ加減が絶妙だと思う。

相部屋でも一人エリアが広めで落ち着けるので、一人宿泊もどんとこい。
山小屋に泊ってみたいけどガチの小屋はどうも不安、とか、山小屋はへっちゃらだけど一人で温泉に泊まるのってどうだろう?な人にもお勧めできるかもしれない宿。

夏の日帰り入浴は大混雑なので、これからも泊まりでゆっくりお風呂を楽しみに行きたいお宿だ。