阪急芦屋川駅~鷹尾城跡(城山) ~荒地山のちょっと手前
【登った時期】2021年01月下旬
【同行者】なし
今日の目標は荒地山。
登山を始めて間もない頃にグループで行く機会があったので4年ほど前に登っている。「王道コース」以外で私が登ったことがある珍しい山だ。
地図を見ていて荒地山の手前にある非常に特徴的な岩が面白かったことを思い出したので、もう一度行ってみようと思い立った。
阪急芦屋川駅~鷹尾城跡
まずはいつものように芦屋川駅からスタート。
芦屋川沿いに登っていく。
春は桜が美しい川沿いも冬はすっかり寂しい状態だが、からっとした冬の爽やかさ。
これはこれで結構好き。
途中までは【高座の滝】へと同じ道をたどる。 www.arukuyo.com
【高座の滝と城山方面への道標】まで来たら右へ。
【城山】についての看板があるので、一応ざっと読んでみる。
登場人物は知らない人たちばかりだが、城跡があるみたい。
道標を右へ向かい、左側のお屋敷に沿って進むと、、
行き止まりに薄暗い登山口っぽいものが見えてきた。
なんだか無造作に巨大な煙草がささったような、ちょっと怪しげな、、
ここが【城山登山口】らしい。
普通の住宅のすぐ隣がいきなり登山口になっている。六甲山系にはこういう登山口が多いように思う。
巨大煙草群を超えて右手に進むと登山道が現れた。
つづら折りの道をどんどん登っていく。
10分くらいでベンチが現れた。
大阪方面まで見渡せて既になかなか景色がよい。
会下山遺跡といい、この城山コースといい、少し登っただけですぐに海を見渡せるのが、この辺りの低山の良いところだ。
大絶景ではないけれど、海まで見渡せるだけで満足度高し。
ベンチを通り過ぎ、木々の間から除く遠景を眺めながら更にゆるい登りを進んでいく。
登山口から30分弱で、テレビの中継所が現れた。
NHKとサンテレビ。
というなんとなく対照的な局の中継所が並んでいる。
ここにもベンチが2つ並んでおり、神戸方面の景色が見渡せる。
ここが鷹尾城跡=城山だと思われるが、城跡を感じさせるものは特に見つからず。
ちょっと休憩したあとは今日の目的地「荒地山」へ向かう。
鷹尾城跡から荒地山方面は歩きやすく気持ちの良い道
鷹尾城跡のベンチを後にちょっと進むと、ぱあっと開けた場所に出た。
さっきのテレビ中継とは比べ物にならない巨大な鉄塔が建っており、その傍らまで行くと遮るものが少ない見晴らしポイント。
軽く城山まで歩いた場合もここまで足を延ばすと(というほどの距離ではないが)更に景色が広がっていてお勧め。但し木陰が無いので夏はかなり暑いと思われる。
ところどころに道標があるが、基本一本道なので迷うことはなし。
今日は【城山登山口】から来たけれど【高座の滝】から来ることもできるみたい。
歩きやすい尾根道を進んでいくと、やがて【荒地山】の名にふさわしくごろごろと大きな岩が登山道内にも現れる。
これまた見晴らしの良い鉄塔のそばを抜け
巨岩の横を通る楽しい道。
道標には【荒地山】の文字がないが、【岩梯子】は【荒地山】への途中にあるポイントなのでそちらへ進む。
そして、突然現れたのが、ほぼ垂直の岩!
本日のハイライト:岩梯子にて進退窮まる
これが荒地山名物にして最大のハイライト?の一つ岩梯子というやつである。
高さは4メートルくらいだろうか。
別に切り立った岩というわけではなく、手や足をかける手がかり(ステップ?)はあるのだが、岩登りに慣れていない人には難易度高し。
前回来た時はどうやって乗り越えたのだろうか。。
確か、イベントの主催者が上からザック毎ひっぱりあげてくれたような気がしてきた。
う回路はあるが、登ってみたい。
他にハイカーがいたら、私のせいで大渋滞になってしまいそうだが、幸い?今日は誰もいないので、挑んでみることにする。
ステップを確認してから登り始め、、最初は簡単に登っていけたのだが、
真ん中あたりで固まってしまった。
一つ一つの段差が結構大きいので、なんと私くらいの身長だと届かないステップがあるのだ。。
背が高くてリーチのある人なら力は必要なく、梯子を上る感じで進んでいけるかもしれないが、私(158cm)くらいの身長だと、「自分の腰よりも高い位置に腕の力で体を持ち上げる」という技術、というより腕力が必要だ。
岩梯子の真ん中で進退窮まってしまった。
あきらめて降りる?
下を見てみると、飛び降りる先は細い登山道。足元も不安定な状態で、飛び降りたらはずみがついて反対側に滑落しそう。
いや、絶対滑落する。
もうこれはなんとかよじ登るしかないのである。
体が硬いせいもあるかも。身長小柄でも体が柔らかい人は段差に脚が届くので、腕で体を持ち上げなくても行けるかもしれない。
柔軟性も筋力も持ち合わせていない私は全身全霊をかけて体を持ち上げた。
こういうのは1回目が肝心。
やればやるほど体力なくなっていくんだから、一気にいく!
あとで見たら肘をすりむいていたが、何とか成功。
こんなの子供の頃ならちょちょいのちょいだったのに。
筋力の衰えと体重の増加を呪いながら反省しながら次へ。
第二の名物、【新七右衛門嵒(しんしちえもんくら)】
この次に休む間もなく現れるのは第二の名物、【新七右衛門嵒】
六甲山で悪事を働くと荒地山で神罰が下るとの伝説があり、七右衛門なる人物が岩穴で頭をくじかれて死亡したそうな。
元々の七右衛門嵒が1995年の阪神淡路大震災でくずれ、その後できた新道なので「新」がついている。
大きな岩を登っていき、穴をくぐって向こう側へ進む。
大きめのザックは背負ったまま通れない程度の穴。
通常はザックをおろして反対側に放り込んでからくぐるが、
今回はザックがペタンコなのでおろさずにくぐることができた。
ある程度を超えたサイズ感の人は通れないであろう。
ここをくぐるのだ!
新七右衛門嵒を無事に通過すると、ちょっと一息。
高所恐怖症の方にはお勧めできないが、かなりの高度感と開放感!
このあたり、道が非常にわかりにくいが、適当に歩いていても非常に展望が良い休憩ポイントが散らばっている。
大きな岩の上でゆっくり景色を眺めたり、ごろんと寝そべり空を眺めることもできる!
至福の時。
1月とはいえ暖かい日だったので日向ぼっこしながらのんびり過ごす。
オフシーズンのせいか人も少ない。
鎖を頼りにもう少し進んでみる。
クライマーも多い。
休憩中のクライマーが色々な角度から写真を撮ってくれた。
巨岩の上に立ち、海まで見晴るかす眼下の下界を眺めると、気分は太古の女王様である。
「我が民よ!」
予定では荒地山山頂まで行くつもりだったが、岩場での休憩が楽しすぎて遅くなったのであきらめて下山することにした。
帰りはもちろんう回路を通る。
う回路といってもまあまあの岩の道が続くが、ゆっくり後ろ向きに下りて行き、岩梯子まで来ればあとは尾根道を下っていくだけだ。
登山には下半身の筋力だけではなく、自分の体重を持ち上げる程度の腕力と柔軟性も必要だと思い知らされた1日だった。
あ、その前に自分には無謀なルートは避けるという判断力ね。
反省。