命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録

たおやめ登山黎明期:ないない尽くしで登山を始めた中年たおやめが最初に揃えた装備とその末路

初めて自主的に出かけたハイキングのために最低限の装備をそろえた

初めて登山、、とまでは言えないがハイキングらしきものに挑戦したのは4年と少し前だった。
旅先で風光明媚な景色を見るために歩く、とか、観光で訪れた寺や神社が思いのほか山の上にあって不本意ながら高度を稼ぐことになった、とか、そういうケースを除き、

「ハイキングをする」

「山に登る」

ことを目的に自主的に出かけたのは初めてだった気がする。
(中学高校と兵庫県六甲山の裾野で過ごしたので、遠足は恐ろしいことにほぼ「六甲山登山」であったが、これは強制的に登らされたので含めない)

初めてのハイキングは奈良県の赤目四十八滝だった。
とりあえず山登りをやってみようと思ったものの、長続きするか自信もなかったので必要最低限のものだけ揃え、あとはなるべく手元にあるものだけで歩いてみようと考えた。

 


全くの手探りでまわりにアドバイスをもらえる経験者もいなかったので、ネットや本を調べ、服装についての知識を得た。

このとき私が出かけたような整備された道をほんのり登るハイキングコースであればこんな感じ。 

とりあえず必要なもの

  • リュック:両手が自由になればとりあえず何でもいい
  •    :できれば足首を守る登山靴が良いが、運動靴でもいい
  • 雨具  :必須。そろえましょう。
  • ウェア :重ね着を基本に調整しやすく動きやすい服装
         但し綿は避けること。
         どんなサイトを見ても本を読んでも
         「綿はだめ。綿は汗冷えするし、もし雨に濡れたら乾きが悪く体が
         冷えて・・・うんぬんかんぬん」
         と、綿を着てハイキングに行ったら死んでしまうのではないか
         思うほど、綿は不向きらしいことがとにかくわかった。

リュック、靴、雨具は手持ちのもので何とかするとして、「綿はダメ」となると、使えるようなウェアが無かった。カットソーやTシャツは持っていたが綿ばかり。

更にボトムスに至ってはジャージ系のものを着る習慣が無いので、使えそうなものが全くなかった。
ジャージ持っている人はジャージでいいと思う。
遠足の時はジャージで登ったしね。

レギンスは持ってたので、ハーフパンツなど持っていたら重ね着で即席山ガール・・・いや、山マダム風にしてもよかったのだが、まあ、持ってなかったんだけど。

新しく購入したもの

①トップスはGAPフィットネスのカットソー
(綿はご法度。汗をかいても乾きやすい化繊を着よ)

そういうわけで、仕方なくウェアだけは購入することにしたのだが、登山ウェアを購入する勇気が出なかった。
今後も登山を続けるかどうかわからないし、そのわりには登山ウェアって高い

こういう時はユニクロかなあ、と思っていたところ、たまたま訪れたGAPでセールになっていたGAPフィットネスの長袖カットソーを発見。
吸湿発散性あり、と書かれているし、走ったりヨガしたりしてる人が着用している写真で宣伝してるし大丈夫でしょと、購入。
これはその後も何度も登山で着た。サムホールがあって手の甲をカバーできるのもお気に入りで春秋の低山には今でも着ることがある。
夏はかなり暑い。
初めて山小屋に泊まった時は寝間着として持って行った。  

②ボトムスはモンベルでロングパンツ(デニムパンツなんてもってのほか。)

当時カジュアルなパンツはデニムしか持っていなかったが、観光のついでにうっかり登山もどきに突入してしまった時のデニムの辛さは実感として知っていた。
そこでボトムスだけは登山専用パンツを購入することにした。

よくわからないのでとりあえずモンベルへ。
スタッフに相談したところ、タイツ+ハーフパンツや山スカートの組み合わせもお勧めされたが、年齢的にそれはどうなのか、、、と尻込みし、無難そうなロングパンツを購入。
ここで私は2つの過ちを犯すことになる。

過ち1:なんとなくゆったり目の方が歩きやすいのかと思い太めのパンツを購入

試着した時は特に問題を感じず、なだらかな起伏を歩く分には支障なかった。
が、しかし、その後だんだんと起伏の大きい登山をするようになると、脚を上げるときに腿にひっかりと負担を感じるようになってしまった。
これが「腿上げが苦痛」という登山をするようになって知った苦しみとの出会いだった。
もちろん、このモンベルのパンツが悪いわけではなく、中途半端に大きめのサイズを選んでしまったのが敗因だったと今は思う。
後日、完全にフィットするタイプのロングパンツをはくようになって気づいたのだが、要するにタイツと同じくらい脚にぴったりあっていれば腿上げは苦にならない。女性ならわかると思うが、よほどのことがない限り、タイツ履いて「腿上げ苦しい」とはならないのと同じだろう。

過ち2:「黒は蜂に襲われる」という情報が頭をよぎり、日常着なら絶対着ない色を選んでしまった

登山ウェアを選ぶにあたって、
・普段は着ないような色を敢えて選ぶ派 と
・やはり普段から着ている色を選ぶ派 に大きく分かれると思う。

仕事の制約等で本当は着たいのに着られない色があるのを登山ウェアで!という場合は、前者で揃えてしまうのは楽しいだろう。
が、「ちょっと気分変えてみる?」ぐらいの気持ちであれば、あまり着ない色を選ぶよりは自分の定番カラーを選んだ方が後悔しないように思う。

私は仕事上も特に制約はないので、「普段着ないような色」は「似合わない色」だったり「好きじゃない色」だったりするから今では後者をつらぬくことにしている。

パンツも通常ならまずは「黒」を買っていたと思う。

それなのに、なぜか蜂問題が頭をよぎり、うっかりあまり着ない色を選んでしまった。
あまり着ない色=トップスとの色合わせがうまくいかない=お蔵入り。

で、肝心の「黒は蜂に襲われやすい」というのは今でもよくわからない。
何色を着ていても蜂って寄ってくるときは寄ってくるような気がするし。。
この「蜂は黒いものを襲うかもしれない問題はぜひ本当のところを知りたいと思っている。

2つの理由でこのパンツはあまり履かないままお蔵入りとなり、やがて売ってしまうことになった。私には合わなかったが、どこかでぴったり合う誰かが快適に履いていてくれるといいな。
「腿上げ地獄」に苦しんだのちは、思い切ってタイツ+ハーフパンツを選択。これは思いのほか快適でしばらくはこのセットで登っていた。

手持ちを利用したもの

①雨具(必ず準備せよ。)

雨具はかなり良いものを持っていた。
パタゴニアのゴアテックスで、主にスクーターに乗るとき用に使っていた。

この時初めて「パタゴニア」というメーカーを知ったのだっけ。
購入時は「カッパのくせになんて高いの!」と驚愕したが、以来、スクーターはもちろんのこと旅先でも大活躍で個人的な「201X年買ってよかったものアワード金賞」に輝いていたくらいの優れもの。

当時は登山ウェアのことなど全く知らず、たまたまショップのスタッフに勧められて購入したものの、正直(確かにスクーター乗ってても快適。でも、汗は逃がして雨は通さず、なんてそんなん有り得るの?)と疑っていた無知な私。

その後、旅先で雨に降られた際、通常のレインウェアを着て「暑い。蒸れる。苦しい。不快」と泣き言をいう友人を尻目に快適に過ごし、「本領発揮!」と思い知らされることになったのである。
ちなみに、私のご機嫌な様子をうらやんだ旅好きのその友人は後日モンベルで雨具を購入して、今は雨に多少降られても快適な旅を楽しんでいる。

登山以外でも役立つので1枚持っていて損はないと思う。

②靴とリュック

ひとくくりにしてはいけないほど重要なものだが、靴とリュックは手持ちの旅行用のもので代用した。


靴:1足だけ持っていたNweBalanceのスニーカー

スニーカーはこれしか持っていなかったので迷いなく。

リュック:旅行用に持っていたパタゴニアライトウェイト・トラベル・トート・パック

とにかく軽くて丈夫なナイロン製の2wayトート。
基本トートとして使用し、リュックにしたいときは収納されているショルダーベルトを引っ張り出す。サイドにメッシュポケットもついており見かけより収納力があるし、何より軽くて小さくなるのでサブバッグとしても優秀。
海外旅行の機内持ち込みや、国内の1泊旅行その他用に持っていた。
セレクトショップでこれまた「旅行お好きならお勧めですよ」とスタッフに紹介され、(あの雨具と同じとこだ)と思ったような思わなかったような。

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日帰りに使えそうなリュックはこれしか持っていなかったのでこれを使った。
かなり昔に購入したので、正方形に近い形をしているが、毎年のモデルチェンジを経て現在は縦長の形になっている。

トートとしてか、リュックとしてか、どちらに重きをおくかによるのだろう。いつの間にかヒップベルトもついているしリュック方向にチェンジされているみたい。

個人的には「いざという時に背負えるけど本当はトート」であってほしいので正方形型に戻ってほしい。

縦長は「底が深い」ので中に入れたものが迷子になってしまって使い勝手が悪い。
リュックとして使うのが目的なら普通にリュック買うし。
町使いメインのバッグとして優秀だと思っていたのになんだか中途半端になったなあ、という感想だ。ヒップベルトも要らなくないかなあ?

急ごしらえの装備で歩いた感想 

この時は登山というより、整備されたハイキングコースだったので靴もリュックもこれで大きな問題はなかったが、ネットなどに書いてあるデメリットを身をもって感じた。

・リュックは体にきっちり固定されていないので左右に荷物がふられるのが気になる。また肩だけで背負っているので最後の方は肩が痛くなった。
・足元は軽くて楽に歩けたが、濡れていたり滑りやすそうな所で気を遣う。

以上の装備でもう一度軽めのハイキングに出かけた後、
「楽しいかも。続けられそう。よしまずは靴に投資!」と決意して、その後も失敗を繰り返しながら登山装備をそろえるのにはまっていくことになるのであった。