命短し、歩けよたおやめ

体力なし筋肉なし経験なしのたおやめが老朽化と戦いながらはじめた登山の記録 ・時々温泉も

鳥取で「一般登山道で登れる」一番高い峰に立ってきた_2:無限階段の後日本海大展望【伯耆大山弥山1706m】

夏山登山道で弥山頂上へ。下山は行者コースで北壁を仰ぐ

【登った時期】2025年05月上旬
【同行者】なし

鳥取県の最高峰伯耆大山。
一般登山道で登れる最高峰:弥山(標高1709m)に登った。
夏山登山口のすぐ近くモンベル大山キャンプサイトに前泊し、翌朝は身軽な装備で登山開始。

夏山登山口から入山開始

キャンプサイト入り口から夏山登山口へは100mないくらいだろうか。
道路を渡った所、といってもいいくらい近い。

登山口からは段差の低い階段が続いている。
少し行くと、登山届ポストあり。

左右にはかつて多数の僧坊がありにぎわっていた面影を残す古い石垣

石垣の向こうを覗いてみたが、静かな木立が広がるばかり。
おそらく僧院跡地なのだろう。

大山寺周辺で最も古い建造物といわれる阿弥陀堂

登山道には合目と100m毎の標高が表示されており、良い目安になる。
まずは一合目。

しばらくはゆるい階段が続いているようだ。

六合目避難小屋へは整備された歩きやすい無限階段をゆく

西日本最大級というブナ林の新緑を楽しみながら登る。

標高1000m
やや階段の段差が大きく山道っぽくなってきたかな。

と思ったが、ブナ林の中まだ階段は続いているようだ。

1100m付近
更に階段は続いている。。ちょっと飽きてきた。

仰げば眩しいブナの樹々が風に揺れている。

目を足元に戻すと果てしなく続く階段

樹々がややまばらになり青空がのぞく中、やっぱり階段は続く。

標高1200mを過ぎ、振り返ると展望が開けてきた。
霞んではいるが日本海も見えているようだ。

その後もとにかく階段を階段を階段を登り、

どこまで続くんだ、この階段!と思ったあたりで
五合目。

五合目から階段を登ってすぐに行者口コースとの分岐に到着。
山頂まで1.4km。だいたい中間地点かな。

このあたりで突然下山してくる人たちが増えてきた。
小耳にはさんだ会話から頂上まで行って下りて来たのではなく、「雪が残っててあきらめた」人が多いみたい。

確かにこのあたりから所々雪の名残が感じられるようになってきた。
それでも、もちろん階段だ。

六合目避難小屋付近に残る雪

永遠に続くかと思われた階段をひたすら登って、遂に六合目避難小屋に到着。

ここに雪が残っており、多数の登山者が停滞して大混雑となっていた。

チェーンスパイクや軽アイゼンを装着する人。
ここで撤退を決め景色を楽しむ人。
あきらめきれず相談しているグループ。
更には少し登ってみて滑り下りてくる人。
そして、ここで撤退になったことを喜んでいる人も。

避難小屋の横手からやっと北壁の姿を拝む。

【六合目からの展望】図と合わせて見ると、正面にぽこんと見えているのがおそらく三鈷峰。ユートピアコースで登れるらしいので、次はそちらも歩いてみたい。

これから目指す弥山頂上は避難小屋壁のすぐそばあたりかな。

私もチェーンスパイク装着!

装備なしの登山靴だけで登っていく人たちもいた。
安定して登っていく上級者もいるが、なんとスニーカーで挑戦してずるずる滑っている人もいて、その後ろを行くのは本当に怖い。
もらい事故をくらうのだけは勘弁なので、なるべく距離をあけて進む。

しかし、もっと恐ろしいのは装備無しで上から下りてくる人だ。
なぜ立ち止まってやり過ごそうとする私の方に突っ込んでくるのか。
ユーチューバーだかなんだか知らんけど自撮りしながら滑り降りてくる外国人までおり、恐怖感が募る。

なんとか最初の残雪を超えた。

その後も短い残雪ゾーンが数か所あったが、傾斜もゆるく最初の難関ほどではなし。

残雪をいくつか超え、道はガレガレと険しくなってきた。

それでも時折現れる階段
ええい、どこまで続くんだこの無限階段は。

しかし、7合目8合目は眺望も開け、楽しくなってくる。

ほぼ階段だけ登ってここまで来た!

そして、ついに階段地獄を抜け、気持ちの良い道に出た。

無限階段の次はずんずん歩ける木道が伸びている。
周囲は特別天然記念物ダイセンキャラボクの純林。

もしや無限木道なのでは、という心配は杞憂に終わり、すぐに頂上避難小屋が見えてきた。

弥山山頂に到着!下山は行者口へ

到着!

伯耆大山弥山 標高1706mに登頂!

一般登山道で登れる鳥取県最高峰だ。

頂上付近はきれいなデッキが整備され、鈴なりの人々がぎっちぎちに座ってお昼を食べていた。(よって写真なし)
全員同じ方向を向いてぎっしり座っているのが観劇かスポーツ観戦でもしているみたいだ。

標識の裏には立ち入り禁止のロープ。
遠くに小さく覗いているのが剣ヶ峰だろうか。

頂上からはほぼ360度の展望が開け、気持ちがいい。

晴れてはいるが、春の霞かはたまか黄砂か、ぼんやり大絶景。
それでも日本海と弓ヶ浜が見渡せて気分爽快。
弓が浜は地図で見るとそうでもないけれど、大山から見るとまさに弓のように弧を描いでいる。

頂上避難小屋は広々としてトイレもあり。
売店では飲み物とカップ麺などを販売している。

頂上に着いた頃から風が強くなり体が冷えてきたので、かわいいカップにはいったコーンスープを購入した。
小屋で購入した飲食物のごみは持ち帰り。

下山はこの展望を眺めながら(^▽^)/

ところどころ残っていた残雪部分ではチェーンスパイクをつけて慎重に下り、行者別れからは【行者口コース】へ。

こちらのコースもしばらくは階段が続くが、段差が大きいので結構脚にくる。

夏山登山道ピストンの人が多いのか、歩く人は少なく静かな道だ。

やがて樹々の間から北壁が現れた。

傾斜もゆるくなってきて気持ちよく下っていく。
行者別れからしばらくはかなり急な階段が続いていたので、登りに使うのはしんどそう。

階段地獄とか階段しかないとか悪口感想を言ってしまったけど、夏山登山道の階段は段差も低く、とても登りやすかった。

夏山登山道で登ってこちらから静けさと北壁の景観を味わいながら下りるのがお勧めだ。

元谷という所に出た。

どーーーん

広大な河原の向こうに大迫力の北壁。

元谷からは木々の間を抜けるハイキングコースといった感じの道。

行者口コースの登山口である大神山神社奥宮に到着。
お参りして御朱印をいただいた。

ここまで下りたのであと少しだ、と思いきや。
この奥宮から大山寺本堂までの石畳参道が非常に長くて、、続く続く。
国内最長の石畳参道だそう。

大山寺本堂から旅館街までのこの参道も長かった。

おまけ

下山後あてにしていた豪円湯院が人数制限で1時間待ち。更に「シャワーが壊れて水しか出ない」と聞き、
「日帰り入浴できます」との看板を見かけていたとやま旅館にお世話になった。

モンベルに始まった今回の山行、最後もモンベルで。

モンベル・フレンドマーケット 大山参道市場内のベーカリーカフェSANDOでソーセージの盛り合わせとノンアルビールで締めくくり。
ピリ辛だったりハーブが効いていたり、それぞれとても美味しかった。

登山を無事に終え、大山寺橋から眺める大山。
下山後はいつも思うけど、数時間前にはあそこに立っていたなんて本当に不思議。
登山を始める前の私に
「あそこまでどれくらいで登れると思う?」と聞いたら
「丸一日かかりそう!」って答えると思う。